平成19年度 生物試料分析科学会 第2回理事会議事録

横浜朝顔

横浜朝顔

開催日 平成19年9月27日(木)12:00~15:00
場  所 横浜ワールドポーターズ6階会議室1+2
出席者 小川 善資、片山 善章、安部 彰、森下 芳孝、渭原 博、池田 勝義、伊藤 耐子、
宇治 義則、大澤 進、栢森 裕三、木澤 仙次、久原 巻彦、近藤 弘、
斉藤 奈々子、篠原 力雄、宍野 宏治、下村 弘治、田窪 孝行、富永 真琴、
逸見 庸一、西川 洋子、日高 宏哉、深田 靖彦、藤田 誠一、深津 俊明、
松本 祐之、米田 孝司、岡部 紘明、藤田 孝、増田 詩織、池谷 均

欠席者 野本 昭三、青木 芳和、今井 利夫、池田 昌伸、今井 一洋、大槻 隆明、
荻津 直通、柴田 宏、手登根 稔、徳永 賢治、長村 洋一、細萱 茂実、
前畑 英介、向井 正彦、山舘 周恒、安原 正善、渡辺 清明、中 甫、中根 清司

総  数 50名

報告事項

  1. 第17回学術集会報告について
    平成19年2月10日(土)~12日(月・祝)の3日間、松本市Mウイングにて開催された第17回生物試料分析科学会大会について、日高 宏哉 大会長より資料に基づいて会計報告が行われた。参加者は予想を上回る229人を集めた。本部からの準備金500,000円に対し、520,000円を返納した。
    大会概要:若手会員交流会1題、サテライトセミナー2題、教育講演2題、特別講演1題、ランチョンセミナー2題、シンポジウム2セッション各3題、ワークショップ1セッション5題、市民公開講演1題、一般演題34題、意見交換会
  2. 「生物試料分析」発刊状況と今後の発刊計画について
    安部 彰 編集委員長より資料に基づいて発刊状況と今後の発刊計画について報告された。また、投稿規程の改定、オンライン投稿・査読システムの試験運用、新編集委員および編集小委員会の呼称変更について口頭で報告された。
    ①2007年発刊状況:印刷経費、広告本数、内容について詳細が資料で示された。
    Vol.30, No.1は1月25日、No.2は3月31日、No.3は6月30日に発行され、No.4は9月30日発行予定。No.5は12月末発行予定で、総説「治験コーディネーター」、特集「医薬品の臨床試験の実施の基準について-治験としての各職域の業務-」の内容が予定されており、特集には4題が準備中。
    ②2008年発刊予定
    No.2:「ミネラルとしての亜鉛」、測定の歴史、意義(臨床、タンパクとの相互作用)、総説。担当:日高、小川各委員。
    No.3:メーカー特集「メタボリック・シンドローム」アデイポネクチン、第一、大塚、他、総説(国立循環器・槙野)。担当:米田委員。
    No.4:「脂質検査のホットな話題」(非・メーカー特集)、アポEリッチ、HDLC、LDLC、総説。担当:栢森委員。
    No.5:メーカー特集「血液検査の正確性」。担当:近藤委員。
    Vol.32, No.2以降の特集テーマについては、2008年2月の編集幹事会で検討することとなった。

    • 投稿規程の改定:「臨床研究に関する論文はヘルシンキ宣言に沿ったものであること」という一文、同意書の添付に関する記述、別冊料金、投稿先などの改定箇所が口頭で報告された。和文の抄録を追加する点については、今後の電子投稿での扱いを考慮し、これまで通りとする。
    • UMINのオンライン投稿・査読システムの試験運用に参加しており、将来的にはUMINのIDを取得すればオンラインで投稿・査読が可能になる見通し。
    • 山舘、難波、三井田、池谷氏の4名を新しく編集委員に加えることとなった。
    • 「編集小委員会」の呼称を「編集幹事委員会」と改める。
  3. 会計中間報告について
    池谷 均 事務局長より資料に基づいて報告が行われた。小川 善資 会長より中間報告において予算に対して大きく数字の異なる部分について補足説明が行われ、同時に学会の法人化を視野に入れた今後の会計制度の見直しについて提案が行われた。これに伴い、年会費未納者の会員資格については1年を猶予とし、2年目に年会費の納付がない場合には会員資格を停止するというルールが満場一致で承認された。また、支部活動費について次年度より会計報告と領収書の添付を義務付ける考えが示された。
  4. 支部活動報告について
    • 北海道・東北支部:富永 真琴 支部長より口頭で報告が行われた。平成19年12月8日に山形で支部総会が開催される予定。また、富永支部長が退任される予定であるため、オブザーバーとして出席された辺見 庸一 事務局長が紹介された。
    • 関東支部:渭原 博 支部長より資料に基づいて報告が行われた。平成19年6月12日に神田・フォーラムミカサにおいて関東支部役員会、関東支部総会、第6回関東支部学術集会、第3回リポタンパク勉強会が開催された。また小川 善資 会長より、今年度になって小川 善資 前支部長が学会長に選出されたため、渭原 博 委員が新たに支部長に就任した経緯が事後報告され、満場一致で承認された。
    • 甲信越支部:日高 宏哉 支部長より資料に基づいて報告が行われた。平成19年6月10日に第4回甲信越支部総会が開催された。分科会活動としては新潟分科会で平成18年11月11日研修会が開催され、長野分科会では平成18年9月30日に第5回精度管理標準化セミナーが開催された。また役員改選で新理事に加わった伊藤 耐子 理事が紹介された。
    • 東海・北陸支部:木澤 仙次 支部長より資料に基づいて報告が行われた。平成19年2月17日に第314回日本臨床化学会東海・北陸支部例会との共催で、生物試料分析科学会東海・北陸支部講演会が開催された。
    • 近畿支部:藤田 誠一 支部長より、今年度は平成20年2月の第18回大会開催に注力している旨説明があり、増田 詩織 事務局長(近畿支部および第18回大会事務局長)が紹介された。
    • 中国・四国支部:宍野 宏治 支部長より資料に基づいて報告が行われた。平成19年8月11日に第2回中国四国支部学会、幹事会が開催された。新執行部には徳島大学から新たに中尾 隆之 氏が加わった。宍野 支部長が来年退任するため、支部長の交代に関しては現在協議中。第3回中国四国支部学会は平成20年8月23日頃広島で開催予定。
    • 九州支部:栢森 裕三 支部長より口頭で報告が行われた。会員数が20名弱と少なく、中央から離れていることもあり、体制作りが遅れている。宇治 義則 理事が他地域へ転出されるなど、主力となる会員の不足がある。今後支部活動活性化のための体制建て直しが急務。
  5. 常置委員会の活動について
    • 財務委員会:木澤 仙次 副委員長より、平成19年4月17日に行われたサポート委員会発足準備会合について、資料に基づいて報告が行われた。また、小川 善資 会長からサポート委員会に関する補足説明が行われた。企業側から5名の参加があり、生物試料分析科学会に対する提言がなされた。今後は平成20年第18回大会において正式な承認を得て、企業の代表者が参加できる体制を目指す。また提言の内容を踏まえ、学会のアイデンティティを確立すべく次回の理事会で骨子をまとめたいという意向が示された。小川会長が出席者全員に対し、この件に関しE-mailで広く意見を求めることとなった。
    • 会員委員会:米田 孝司 委員長より、会員委員会の構成メンバーと「学会員増員のための案とその対策」が資料に基づいて報告された。年代が近く、日ごろから集まりやすいメンバーを選出し、話し合いを重ねていることが報告され、会員増員のための6つの具体案とそのための方策が示された。

審議事項

  1. 第18回学術集会報告について
    藤田 誠一 大会長から大会概要について報告が行われた。
    テーマ:原点に立ち返ってChallengeを -新たなBio-Analysisの開拓―
    会期:平成20年2月10日(日)~平成20年2月11日(月)
    会場:新梅田研修センター(〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島6-22-20)
    大会長:藤田 誠一(独立行政法人国立病院機構松籟荘病院)、実行委員長:吉本 茂(医療法人寿楽会 大野記念病院)、大会事務局:増田 詩織(近畿大学医学部附属病院)
    続いて増田 詩織 事務局長より、タイムテーブルに基づいて時系列順に予定されている内容について報告が行われた。
    【教育講演】「鳥および新型インフルエンザの現状と対策について」(国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官 安井良則)
    【特別講演】「急性肺障害と多臓器不全」(名古屋市立大学大学院医学研究科生体防御学分野 教授 岡嶋研二)
    【シンポジウムⅠ】「人獣共通感染症」
    【ワークショップ】「周術期における臨床検査の有効利用」~安全かつ適正な手術を遂行するために検査部は何ができる?~
    【シンポジウムⅡ】「食(健食)の安全を支える検査と技術」
    ※シンポジウムⅡに関しては、健康食品管理士認定協会の側から、市民講座にしてほしいとの申し出があったため現在調整中。両日ともランチョンセミナー2題ずつを予定。一般演題については現在4演題がエントリーされているが、会場スペースには余裕があるので、できるだけ多くの演題を集めたい。企業の協賛は現時点で33社から2,500,000円の申し出を得ている。参加費は事前登録なしで一律6,000円、学生会員は3,000円の予定。300名1,800,000円の収入を見込んでいる。支出は会場費・懇親会等で約2,500,000円、抄録印刷・郵送等諸約800,000円、講師交通費・謝礼その他諸経費で1,000,000円を予定している。
  2. 第19回学術集会の予定について
    平成21年開催の第19回生物試料分析科学会大会案について、安部 彰 大会長より資料に基づいて報告が行われた。
    会期:平成21年2月21日(土)~22日(日)
    会場:名古屋国際会議場2号館(名古屋市熱田区熱田西町1)
    企画・実行:生物試料分析科学会 東海・北陸支部、事務局:岐阜医療科学大学
    大会長:安部 彰、事務局長:高崎 昭彦、実行委員長:前田 悟司、プログラム委員長:未定
    主な内容:最新分析技術、慢性腎疾患、メタボリックシンドロームの3テーマ 教育講演5題(1題未定)、招待講演1題、市民公開講演1題、シンポジウム/ワークショップ3セッション、ランチョンセミナー4題、特別企画として健康食品関連、展示としてメタボリックシンドローム関連と書籍の展示を計画中。
    前日2月20日(金)の午後予定されている編集小委員会(編集幹事委員会)は、経費の都合上、各自昼食を済ませた後13時より開始するということで了承を求めた。
    第20回大会についてはすでに関東支部で開催することが決定しているが、その次の第21回大会を北海道・東北支部、中国・四国支部、九州支部の3支部のうちいずれかで担当することで了承を得た。具体的には今後各支部間で検討することとなった。
  3. 法人化と会則改定について
    学会の法人化について、小川 善資 会長より特定非営利活動法人(NPO法人)として内閣府に申請をする方向性が提示された。事業に対する課税、必要な会計処理等について税理士と協議中であることが報告された。また、事務局が試作した定款案を元に、以下の新定款の骨子案が検討・了承された。
    (目的)
    この法人は生体および生物試料中の様々な物質の分析を通じて、学術の発展、技術の振興、教育・啓蒙活動に寄与することで、一般市民の健康・保健・福祉の増進に役立てることを目的とする。
    (特定非営利活動の種類)
    1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
    2. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
    3. 科学技術の振興を図る活動
    注:上記は「特定非営利活動促進法」に定められた17種類の活動の中から該当するものを選択することしかできないため、言い回しを変えたりすることはできない。
    特定非営利活動に関わる事業
    1. 学術集会の開催
    2. 学会誌およびその他出版物の刊行\
    3. ホームページ、情報誌の刊行などの広報事業
    4. 教育・啓蒙活動、科学技術の伝承を円滑に行うための資格・認定事業
    会員資格の喪失:2年以上会費を滞納したとき
    理事の数:30人以上50人以下
    監事の数:2人以上
    役員の任期:2年
    解任:総会において2分の1以上の決議
    理事会の招集:理事会開催の請求があった時、60日以内に理事会を招集しなければならない。理事会の開催は少なくとも30日前までには通知しなければならない。
    内規:評議員、評議員会、常任理事、名誉会長、名誉委員、功労会員、学生会員、年会費・賛助会費などは内規にて定める。
    また、関連して次の点も了承された。

    • 現在の正会員を法人における社員とした場合、会員総数の2分の1以上が総会に出席するか委任状の提出が必要となるが、社員を正会員の一部(評議員および理事など)に限定することなく、正会員全員を社員とする。
    • 現行の会員資格である名誉会長、名誉会員、功労会員、学生会員の規定と会費については定款では明記せず、別途内規にて定める。内規のルールについては会員委員会にて協議の上、来年2月の総会での提出を目指す。

    以上の点を踏まえ、学会の法人化へ向けて作業を進めていくことが満場一致で承認された。

  4. 新情報誌発刊について
    小川 善資 会長より新規会員獲得のためのツールとして、隔月刊の情報誌発刊が企画されている旨が説明され、紙面サンプルと予算案が提示された。片山 善章 名誉会長より、定期刊行物として継続する以上、小川会長から次の会長の代になっても広告収入が維持できなければならないとの指摘があった。また、各支部に編集局を発足させたいという意向については、各支部の編集局における経費をどう捻出するかが課題となった。配布方法については学会誌に同封する案のほか、学会員以外への周知のための手段として、地域の技師会や施設と連携する案も出された。これらの案は地域によっても状況が異なるため、各支部から必要部数を申告してもらい、まずは配布協力先を当たってもらうことが提案された。
    また、編集・制作に関して、初期段階においては本部・関東支部を中心に各支部の情報を収集することが提案された。
    その他:会員名簿の作成について
    会員へ登録内容の確認および名簿への記載了承を得るためのアンケートを実施、その上で名簿を作成することが了承された。
    前回20周年で作成された会員名簿では、「生物試料分析」1巻から20巻に掲載された論文の総目次が同時に収められたが、今回は小川 善資 会長より印刷物と電子データを組み合わせることが提案された。名簿は印刷物として作成し、「生物試料分析」21巻以降10年分の掲載論文に関しては、論文のタイトルだけでなく全文のPDFファイルを作成し、著者・キーワードによる検索が可能なデータとしてCD-ROMまたはDVDに収録するという案であったが、メディアに収載するのではなくWeb上で検索できるようにすればよいのではないかという意見も出された。
    しかし将来的なコンテンツの電子化およびWeb上での利用については別途議論されている問題でもあり、ここでは名簿と10年分の掲載論文全文データのパッケージに限定し、販売も可能な形態で制作する方向で了承された。富永 真琴 北海道・東北支部長退任について
    富永 真琴 北海道・東北支部長が山形大学退職のため支部長を退任され、後任は辺見 庸一 事務局長に引き継がれることとなった。また、併せて来年3月末日をもって理事職を辞退される意向であることが報告された。

    吉田 光孝 顧問ご逝去(2007年7月17日)について
    去る2007年7月17日、本学会顧問 吉田 光孝 先生がご逝去されたことが報告された。30巻4号の巻頭に追悼文が掲載されることとなった。